デイサービス ラスベガスは、単純に「ギャンブルベースの介護施設」と誤解されやすいのですが、名称も含め実際には、日夜介護業務の最前線にいた時の問題点や課題、どうしようもない矛盾の中から、まったく新しい切り口の本当の介護サービス、デイサービス追い求めた結果、誕生しました。 デイサービス ラスベガスの誕生から現在、そして未来への想いをお伝えいたします。
デイサービス ラスベガス誕生へ
デイサービス ラスベガスの業態を作った日本エルダリーケアサービスはもともと訪問介護、デイサービスなど合計約150拠点を運営している会社だ。現代表である森も現場に出て、時に介護、時に送迎と働いていた。そうした中、デイサービスにおいては相当数のご利用者様が「行きたくない」または「帰宅願望」があることを目の当たりにしてきた。
特に男性の利用者の方はこの傾向が顕著であった。男性のご利用者様は、女性のご利用者様に比べてコミュニケーションを苦手とすることが多く、デイサービスという輪の中に溶け込めないことがよくあった。もちろん当時の介護職員も何とか会話のきっかけを作ろうとお手伝いするのだが、力及ばす上手く盛り上げられないという苦い思い出も数多く、レクリエーションにおいてもデイサービスで広く実施されているレクリエーションといえば「風船バレー」「塗り絵」といったものであり、好きな人には良いが、好きではない人にはただの苦痛にしかならなかった。結果として、自宅に帰りたいが、帰ることもできず、日がな一日ぼーっとテレビを見て、あるいは居眠りをして過ごすご利用者様も多いという実態が現場にあった。
そんな中、アメリカの介護事業の視察に赴く機会があった。
介護と言えば北欧諸国が有名だが、そもそも税制などの制度面から全く違う国での介護となると、日本に取り入れるにも限界がある。むしろ北欧よりも日本に近いアメリカでの介護のあり方に強く関心を持った。実際にアメリカに赴いて現場を視察した。重度を対象とした身体介護においては、おおまかに言って日米差は感じなかったが、大きく感銘を受けたのは高齢者自身または高齢者を取り巻く環境の「意識の差」だった。アメリカにおいては介護以前の前提として「EnjoyLife」という感覚が随所に感じられたのだ。一例としては
・サンシティというリタイアメントコミュニティでは高齢者による高齢者のための自治が行われ、ゴルフにジョギングにと皆エンジョイしていた。
・また、各所でポーカーや、中には麻雀に取り組む姿が見られ、笑顔にあふれた光景が見られた。
本場ラスベガスのカジノにも日中は高齢者が多いとの話を聞きつけ、実際に見に行ってみると、高齢者の方々が大いに盛り上がりハイタッチして喜ぶ姿があった。どれだけ大勝したのかと見てみると1ドルの賭けに勝ったのだと言う。
高齢者の笑顔が脳裏に焼き付き、衝撃を受けたまま日本に帰るとすぐ「人生をエンジョイするアメリカの高齢者介護の考え方を日本に持ち込みたい」と、方法を考えた。
過去にデイサービスに行きたがらないご利用者様に数々出会ってきたことが思い出された。
・孤独死という言葉がある。誰にも看取られず、孤独のうちに自宅でひっそりと亡くなっていってしまうという社会問題だ。特に単身の男性の方に多い。
・リハビリ以前の問題である。まずはサービスを提供させて頂けなければ私達は何もできない。まずはお越し頂かなければ始まらない。
その為には「行きたい」と思えるモチベーションがなくてはならない。学校でも会社でも習い事でもフィットネスジムでも全て同じだ。何らかのモチベーションがなければ、それは苦痛でしか無く、継続するのが困難になる。「仕方なしに行く場所ではなく、是非行きたいと思える場所」そんなデイサービスをめざし、「ラスベガス」は誕生することになりました。