Q.ラスベガスの身体機能訓練とは?
ラスベガスオリジナルプログラム「ベガストレッチ」の監修をされている
アスレチックトレーナー 谷口久満氏にお話を伺いました。
谷口先生が思うラスベガスの身体機能訓練とは?
谷口先生は「アスレチックトレーナー」ですが、先生がアスレチックトレーナーを目指された理由や現在の活動を教えて下さい。
【谷口先生】
私は小さい頃から格闘技やスポーツが好きでした。様々な格闘技やスポーツに取り組む中、将来もスポーツに関わる仕事をしようと思って選んだ専門への道が「アスレチックトレーナー学科」でした。この学科は、スポーツ選手のパフォーマンスが常に最大限発揮できるように健康・安全管理を支え、指導する為に必要なことを学ぶ学科であり、トレーニング論、スポーツ医学、生理学、栄養学、心理学、介護を学びました。その後、都内の病院でリハビリの現場に立った後、ニュージーランドで格闘技を教える経験をした上で、帰国後パーソナルトレーナーとして1人1人の身体能力を維持・向上させる為の指導を行うようになりました。
これまで見てきた方の中で著名な方ではプロゴルファーの尾崎将司氏(ジャンボ尾崎)や格闘家の小見川道大氏がいますが、高い能力を求められるプロスポーツ選手だけを担当しているのではなく、一般の主婦から高齢者まで様々な方が誰でも健康に過ごすための身体能力の維持・向上のサポートをお手伝いさせていただいております。
高齢者の身体機能の維持・向上についてどのようにお考えでしょうか?
【谷口先生】
まず、身体機能の維持・向上はすべての人にとって必要なことであり、特に高齢者にのみ必要なことではありません。実際に老若男女500名以上の身体機能訓練に携わって来ましたが、年齢や性別で特別に大きく考え方が変わるものではないと考えています。但しその人にあった負荷と運動内容を選択することで、ケガなどを予防しながらより短時間で高い効果を上げられるようになります。
やはり人間、楽しい環境で無理のない範囲の運動でなければ続けることができません。よほどの運動好き・運動マニアでなければ、「体の為に運動を続けよう」と決意し、運動を始めたとしても1人では長続きすることが難しいです。その点、同世代の人が集まり、みんなで楽しく運動をする習慣を持つことはとても素晴らしいことだと思います。明るい音楽に合わせて、運動を行うという点もポイントです。
イギリス・ブルネル大学のコスタス・カラジェオーヒス博士の研究によれば、テンポの良い音楽を聞きながら運動をすることでパフォーマンスが15%程度高まった事例があるそうです。
通常はどの程度の時間、頻度で運動することが望ましいのでしょうか?
【谷口先生】
人によって状態が違うので、一概に何分と表現することは難しいですが、多ければ良いというものではありません。一般の我々であっても、2時間も3時間も運動をしてしまえば疲労が蓄積してしまいけがや病気の原因になってしまいます。デイサービス ラスベガスでは、1日の中で合計約46分の運動を少しずつ行い(個別機能訓練も併せて実施している方は約1時間)丁度良い分量に調整しています。連続しての運動は体力面で厳しい方も多くいらっしゃるので、複数回に分けて実施することで目標の運動量を達成出来るようにしています。実際のところ、46分から1時間の運動となると、結構しんどいという人が多いでしょう。
頻度についても人によって変わるものではありますが、これまで運動を多くしていない人は、まず週2回から始めていくといいでしょう。その際、意識していただきたいことは、ベル・カーブという考え方です。これは、まずは強度の低い動きから始め(ウォーミングアップ)、心拍数が上がってから強度を高めていき、最後はまた強度を落としていく(クーリングダウン)という考え方であり、体の負荷を下げると共にトレーニング効果を高める効果があります。このベル・カーブの考え方は当然、ベガストレッチにも応用されており、ベガストレッチでは意識することなく自然と無理のない運動を行うことができるようになっています。
ベガストレッチのプログラムについて教えて下さい。
【谷口先生】
ベガストレッチは、様々なご利用者に最適な負荷の機能訓練となるように、「上半身」と「下半身」に分けて構成し、さらに体の動くレベルに合わせてストレッチ運動をアレンジできるように工夫しました。前半は「上半身」の部であり、ウォーミングアップとして軽い動きに始まり、肩甲骨周辺の柔軟性の強化を特に意識してプログラムしています。後半は「下半身」の部であり、足腰の曲げ伸ばしが主となります。
人体の筋肉の2/3は下半身にあり、この筋肉の維持・向上が体を若く保つことに繋がります。さらに身体能力の高い人は、デイサービス ラスベガスに備えられている様々な重さのウェイトを自身の身体能力に合わせ選択し、手首や足首に装着してストレッチを行うことで、より最適な負荷をかけることが可能です。
ベガストレッチは、身体能力の異なる方でも、それぞれに最適な負荷を選ぶことが出来、且つ運動メニューももっとも運動効率が高いと言われるベル・カーブに沿ったメニュー構成にすることで、短時間で高い運動効果を上げることが出来るようになっています。さらに楽しい音楽に合わせ単純な運動からダンス的な要素を取り入れ、飽きられがちな運動を楽しく無理なく行えるようにしている点もポイントです。
機能訓練の効果を高める為のポイントを教えて下さい。
【谷口先生】
まずは「続けること」です。止めてしまっては当然意味がありませんから。続いて「効果を認めること」です。どんなに小さい効果でも良いので、それを周囲が認めて褒め、また自分自身で効果を認めてモチベーションを高めることが何より大事になります。
本日はありがとうございました。
【谷口先生】
デイサービス ラスベガスのお店を初めて訪れた時、利用されている高齢者も、働かれている従業員も、とても素敵な笑顔をしていたことが印象的でした。私が監修したベガストレッチや機能訓練が、ご利用者の身体能力の維持・向上をますます促進し、1日でも長くこの楽しい時間を過ごす為の力になると信じています。
アスレチックトレーナー
谷口 久満
TANIGUCHI Hisamitsu
小見川道場 総合格闘技講師
プロゴルファー・ジャンボ尾崎をはじめとした、プロトップアスリートへのトータルサポート、企業や学校・サークル活動・高齢者への健康運動指導。
子供たちへの運動能力アップ教室。格闘技指導などを行っています。